声優として成功できる人は一握りです。特に男性の方は「声優としてデビューできるか不安」「女性声優は人数が多いので、男性として成功するのは難しいのか？」など疑問も多いと思います。
実際、デビューしている声優の人数は男性が40％、女性が60％で、女性の方が人数は多いです。しかし、それは男性声優のライバルが少ないので成功しやすいとも考えられます。
ここでは、声優の男女比について紹介して、男性が声優になるために必要なこと、男性声優に求められることを解説します。
男性は女性よりも声優になりやすい？
プロの声優としてデビューしている男女比は男性40％、女性60％くらいです。割合だけで見ると女性の方が声優になりやすく感じますが、声優の専門学校や声優養成所の男女比も、男性40％、女性60％くらいの比率なので、実際にデビューできている割合は男性も女性もほとんど変わらないと言えます。
2021年に発売された「声優名鑑2021」の男性編と女性編に掲載された声優は、下記の通りです。
- 女性声優：約950人（約60％）
- 男性声優：約600人（約40％）
しかし、実際には男性の方が声優としてデビューしやすいと考えられます。その理由は、女性の方が声優を目指している絶対数が多いので、女性は競争率が高くなるからです。
声優事務所に所属している声優さんのボイスサンプルを聞いてみると、女性はあまり有名ではない方でもかなりレベルが高いです。もちろん男性の声優の方も上手いのですが、女性の方が演技の幅の広さや、声の魅力があるように感じます。
つまり、「男性声優」という枠で考えたとき、相対的に男性声優の全体のレベルは女性に比べて若干だけ低くなっています。男性声優は人数が少ないので当たり前ですが、ライバルとなる男性声優のレベルが低くなる分、男性は事務所に所属できる確率は高くなると言えるでしょう。
男性声優は歳を取っても仕事がある
男性声優は年齢を重ねるごとに声が渋くなっていくため、40代や50代になっても仕事を得られやすいです。また、アニメのキャラクターは「おばあさん」よりも「おじいさん」の登場が多いため、渋い声が出せる男性声優は需要があります。
実際に声優業界では、低い声や渋い声を出せる男性がほしいという話は多いです。年齢が若くて渋い声も出せるのが理想ですが、歳を取って渋い声で売っていくようにシフトしてけるのは男性声優だけの特権です。
男性は歳を取っても声が変わりにくい
女性声優は40代から女性ホルモンが減ることで声帯が太くなり、声が低くなります。しかし、男性は年齢を重ねても声質が大きく変化しないので、声の活動を継続しやすい、声の仕事に影響が出にくいというメリットがあります。
男性声優に求められること
男性が声優として活躍するためには、音響制作会社や仕事を発注する側が何を求めているか知っておくのは大切です。男性声優に求められていることを紹介します。
幅広い年齢の声で演じられる
幅広い年齢の声で演じられる声優は、仕事を受けられるキャラクターの幅が広がります。「少年」「青年」「おじさん」「おじいさん」など幅広く演じられれば、1人で複数役を演じるような仕事を受けられるようになります。
また、声が高い男性は、中性的な声のキャラクターで仕事を受けられる可能性もあります。宮田幸季さん、代永翼さん、村瀬歩さんなどは中性的な声優として、男性声優として女性キャラクターを演じるなど活躍しています。
大人の男性や渋い声は需要がある
渋い声を出せる男性声優は少ないため、おじさんキャラやおじいさんキャラの仕事を受けやすいです。声が高めで若いキャラクターの演技が得意な人は「おじいさん」を演じられるようにする、声が低めでおじさんボイスを出せる人は「おじいさん」を演じられるように練習すると良いでしょう。
また、声があまり渋くない人でも、喋るスピードや抑揚の付け方を工夫して演技面することでキャラクターの年齢を年寄りっぽくできます。体が細くてヨボヨボのおじいさんは声も細くなる、元気があるおじさんは声がはっきりして話すスピードが早そう、などキャラクターのイメージから演技を変化させてみるのが年寄りを演じるコツです。
自分の強みを持っておく
自分だけの声の強みや演技の強みがあれば、声優として仕事を受けやすくなります。「青年」を演じるのが得意なら様々なタイプの青年キャラの声を突き詰めていく、「感情的な演技」が得意なら感情表現を突き詰めていくなど、自分だけの強みを更に伸ばすことでプロフェッショナルを目指すことも大切です。
また、知識や人生経験も強みとして活かせます。たとえば、「法律」の知識があれば法律に関するナレーションの仕事を受けやすい、「サラリーマン」の経験があればサラリーマンのキャラクターを演じやすいなどです。自分の知識や経験から、自分にどのような強みがあるか考えてみましょう。
男性声優は清潔感も大切
声優は表舞台に立つことも多いです。テレビ、YouTubeの動画、アイドル活動、舞台イベント、2.5次元の声優など、声だけではなく容姿も大切になっている時代なので、身だしなみや清潔感は常に意識して整えておきましょう。
普段から容姿に気を使っておけば、表舞台に立ったときも清潔感を感じてもらいやすいです。服装、髪型、立ち振舞いは普段の生活から意識しておきましょう。
