【フリー台本】狐の妖怪が人間に妖力を授ける話

フリー台本(一人用)
キャラクター性別(人数) 女性、男性どちらもOK(1人)
文字数(朗読時間) 674文字(2分30秒)

ストーリー・登場人物

神社の守り神(狐の妖怪)をイメージして書きました。

漢字の読み方
・子取婆:ことりばばあ
・管狐:くだぎつね

台本

ほう、ここに人が来るとは珍しい。
わしか? わしは、この神社の守り神と言ったところじゃ。
まぁ、今は見ての通り子狐のような姿で、守り神というには少し頼りないがの。

それよりお主、どうやってここにたどり着いた?
そうか。道に迷ってここに来たということは、お主は来るべくして来たということだ。
あまり理解できていない様子じゃの。
つまり、お主が意識していなくとも、導かれたということじゃ。

よく見るとお主、微々たるものだが妖力が宿っておる。
普段から、何もないところに気配を感じたり、視界がぼやけたりするであろう?
それは、目には見えない妖怪の気配を感じているのじゃ。
そう恐れることはない。人間と妖怪が住む世界は軸が違っておる。
つまり、表と裏。妖怪の気配を感じても、実際は別の世界にいるということじゃ。

それはそうと、お主、浮かぬ顔をしておるな。
何か困りごとがあるのだろう。申してみよ。
ふむ、突然友人が姿を消した…。それは妖怪のしわざじゃな。
人隠しをする妖怪は「隠し神」と呼ばれておる。
「油取り」や「子取婆」なんかが代表的な隠し神じゃ。
普段は人隠しをせぬ妖怪でも、人を連れ去ることはあるがの。

友人が心配なのだろう? 力を貸してやろうか?
そう警戒するでない。わしもこの神社で数百年過ごして退屈しておったのじゃ。
しかし、妖怪の力を借りると今までの生活には戻れんぞ。よいか?
覚悟は決まっておるようじゃの。お主、気に入ったぞ。

九尾の狐? わしはそんな大層なものではない。
わしは「管狐」。
これからお主に福と災いを与える妖怪じゃ。

クレジット

台本:ボイスAttra! https://voice-attra.com/
台本ライター:小春ゆう(@koharu_uy)

シナリオライター情報

この台本を書いた人
小春ゆう

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