中学生が声優になるには、「声優養成所」もしくは「声優の専門学校」のいずれかの進路に進む必要があります。声優養成所であれば中学校に通いながら、土日に声優のレッスンを受けることも可能です。
「声優養成所」か「声優の専門学校」に通いながら、声優事務所のオーディションなどを受けて、合格すれば声優デビューとなります。ただし、声優事務所のオーディションは合格するのが難しいので、若いうちから演技や発声の正しい練習をして他の人より高い能力を身につけておくことが大切です。
ここでは、中学生が声優になるまでの進路について解説して、中学生が家でできる声優トレーニングを紹介します。
中学生が声優になるまでの進路は2種類
中学生が声優になるには演技の基礎を身につける必要があります。演技を学ぶには「声優養成所に通う」もしくは「声優の専門学校に通う」の2つの進路があります。
「声優養成所」は中学校に通いながらでも入れます。早く演技を学びたい人は養成所に通って、年齢が若いうちに演技を学ぶことで、声優として早くデビューできるようになります。
「声優の専門学生」は高校卒業したら入学できます。また、一部の専門学校では声優の演技を学びながら高校卒業資格を取得することも可能なので、中学卒業後に専門学校に通うこともできます。
中学校に通いながら声優養成所に通う
中学校に通いながら声優養成所に通うことで、中学生のうちから演技を学べます。養成所によっては年齢制限があるため、中学生でも入れる養成所を選ぶ必要があります。
中学生でも通える代表的な声優養成所は、日ナレ(日本ナレーション演技研究所)です。「日ナレ ジュニア声優クラス」は小学生5年生~中学3年生が入れるクラスで、声優レッスンは土曜日か日曜日に週1回あります。
高校を卒業してから声優の専門学校に通う
中学校を卒業してから一般の高校に入学して、高校卒業後に声優の専門学校に通うことも可能です。声優を目指す多くの方は、高校卒業後に声優の専門学校へ入学するので、声優になるための最も一般的な進路です。
しかし、中学生のうちから声優になりたいと思っていても、高校卒業後まで待つとなると3年以上かかります。そのため、中学生のうちから声優養成所に通ったり、ボイストレーニングの授業を受けたりして、若いうちに基礎を身に着けておきましょう。
中学校を卒業してから専門学校に通う
通常、専門学校に入学するには高校卒業資格がないと入学できませんが、一部の専門学校は中学校を卒業後に入学できます。中学卒業後の16歳で入学できる代表的な専門学校は「代々木アニメーション学院」です。
代々木アニメーション学院には「代々木アニメーション学院 高等部」があります。代々木アニメーション学院で声優の基礎を学びながら、通信制高校(ルネサンス高校)の高校科目の勉強をします。卒業時には高校卒業資格が得られるので、中学校を卒業してからすぐに演技を学びつつ、学歴としても「高校卒業」の肩書を持てるメリットがあります。
声優になりたいけど親に言えないときは?
「声優になりたいけど、親に反対されるから言えない」という中学生の方は多いと思います。声優という職業は誰でもなれるわけではなく、不安定なお仕事なのでご両親は心配するでしょう。
まずは、自分が声優になることに対してどれだけ真剣か伝えましょう。一度の話し合いで終わらせず、何度も相談して、声優の職業について調べて、お互いが納得できるまで時間をかけて話し合いましょう。
また、自分がどれだけ本気で声優になりたいか親に見てもらうとご両親を説得しやすくなります。自宅で毎日ボイストレーニング、腹式呼吸の練習、台本を読む練習などしていれば、ご両親も「本気で声優になりたいんだな」と思ってくれるはずです。
また、下記のように条件付きでご両親に相談して、声優になりたいと伝えるのも良いでしょう。
- 1ヶ月間、自主練習を続けられたら声優養成所に通いたい
- 学校の勉強はしっかりやる
- 25歳までに成功しなかったら諦める
どうしてもご両親を説得できない場合は、親には秘密で声優を目指すのも1つの手段です。高校や大学に通いながらアルバイトでお金を貯めて、自分のお金で声優を目指すならご両親も文句は言われません。ただ、ご両親に納得してもらった上で声優を目指す方が良いので、しっかり時間をかけて相談してみましょう。
演技初心者の中学生でも声優を目指せる?
全く演技したことがない中学生でも、声優を目指すことはできます。声優は年齢が若い頃から目指す方が経験を積めて有利なので、中学生から声優としてのトレーニングを始めるのは遅くありません。
また、声優は声を使ったお仕事ですが、声以外にも必要な能力があります。中学生のうちから下記のような声優として必要な能力を高められるように、意識して生活することも大切です。
中学生が声優になるために身につけたい能力
- 台本からキャラクターの感情を読み取る能力
- 人前で演技ができる能力(あがり症や人見知りを治す)
- 体力
- コミュニケーション能力
声優になるために家でできるトレーニング
中学生の方が声優になるために、家でできるトレーニングを紹介します。
腹式呼吸を身につける
腹式呼吸とは、息を吸ったときにお腹が膨らんで、息を吐いたときにお腹がしぼむ呼吸方法です。腹式呼吸ができると息を吸う量が増えて、伸びのある声、大きな声、音が安定した声が出せるようになります。
下記のように、実際に腹式呼吸の練習をしてみましょう。
- 背筋を伸ばして立つ(軽くお腹に手を当てるとやりやすい)
- ゆっくり深呼吸するように、お腹が膨らむイメージを持って息を吸う
- 息を吐くときは、吸った息がお腹から抜けていくイメージで吐く
- 休憩を取りながら何度か繰り返して腹式呼吸に慣れる
- 腹式呼吸で声を出してみて、普通に出す声との違いを比べてみましょう
腹式呼吸を上手くできない方は、仰向けに寝てからやるとコツを掴みやすいです。仰向けで腹式呼吸できるようになったら、次は立った状態でできるようにチャレンジしてみましょう。
早口言葉で滑舌の練習
プロの声優になるには滑舌を良くする練習は必須です。滑舌は練習すればするほど良くなるので、成長を実感しやすい部分でもあります。
滑舌は下記の3つがで構成されます。つまり、下記3つの練習をすると滑舌が良くなり、早口言葉も言えるようになります。
- 唇と舌を上手く動かせる
- 口角が上がっている(にこっとした口元)
- 母音(あいうえお)をしっかり発声できる
唇を上手く動かすには、口笛を練習しましょう。口笛が吹けるようになると、細かく唇を動かすことができるようになります。
舌を上手く動かすには、舌をできるだけ伸ばして5秒ほどキープして、その後もとに戻して休憩します。これを繰り返すことで舌の筋肉が鍛えられます。
母音をしっかり発声するトレーニング方法は、「あいうえお」を口の形を意識しつつ、位置音ずつ聞き取りやすい音を出すイメージで発声してください。また、文章を全て母音に変換して読むことで、母音の発声トレーニングになります。(例:おはよう=おあおう と読む)
アニメでプロの声優の演技を聞いて学ぶ
アニメでプロの声優の演技を聞いて、プロがどのようにそのキャラクターを演じているか学びましょう。
- セリフにどのような表情や感情が込められているか?
- セリフがどうして表情や感情が込められているように聞こえるか?
- なぜその役を、その声で演じているのか?
- 自分だったらどう演じるか?
- 自分が演じたときと、プロの声優の演技にどんな差があるか?
実際に同じセリフを録音してみて、プロの声優の演技と、自分の演技を比べて聞いてみて、どのような違いがあるか確認してみましょう。
注意点として、声真似をするのではなく、キャラクターの感情や表情をマネするようにしてください。大切なのは表現を学ぶことです。声真似は色んな声を出す練習にはなりますが、声真似の変なクセがついてしまう場合があるのでやりすぎは注意です。
声優になるために中学生のうちにやっておきたいこと
声優になるために中学生のうちにやっておきたいことを紹介します。
体力をつけるために運動する
声優になるには体力が必要です。笑う、怒る、泣くなど感情的なセリフや、長いセリフを読むには体力が必要だからです。また、体力をつけることで体調を整える意味もあり、収録日に万全の状態で収録できる状態にしなければいけません。
声優に必要な体力を鍛えるには、下記の運動がおすすめです。特に水泳は全身の筋肉や、肺活量も鍛えられます。
水泳
ランニング
筋トレ
学校の勉強
声優になるには、中学校や高校の勉強も大切です。「声優として漢字を正しく読める」「正しい英語の発音ができる、読める」「歌を歌える」「仕事で料金などの計算が正しくできる」など、学校の授業もしっかり受けましょう。